第19回 医療機器設計・製造展示会

メディカルクリエーションふくしま2022

ひらめきはすべてを変える。誰も見てない、その先へ! やまがたNEXTプロジェクト/[共同出展]公益財団法人山形県産業技術振興機構 Yamagata NEXT Project

企業情報

代表者名 那須 広紹
住所 994-0075 山形県天童市蔵増甲2145−8(那須電機株式会社内)
代表者番号 023-651-2030
会社ホームページ https://www.earth-smile.jp 
SNS
事業種目 OEM・受託製造、センサー・計測機器、介護支援製品、医療関連製品、組立て・自動化、設計製造ソフトウェア、電子部品・電子機器
取組実績及び
取得規格・業許可等
医療機器製造業登録

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昨今、多様性を尊重する社会へと変化しており、個人の生き方にも以前より自由度が広がりつつあります。さらに人間の欲求は留まることを知らず、AIが特定の人種や人間の特徴・好みをも「忖度」する時代が、もうそこまで近づいているようにも感じております。

こうした中、あるローカルな世界には「知りたくても、知ることができない」「欲しくても、欲しいものが世の中に売っていない」という人たちがいます。
しかもタイムマシーンが欲しいなどと非現実的なことを言っている訳でもなく、ただただ「情報が知りたい」「情報が欲しい」という人たち…。
それは見た目が普通な人でも発達障害だったり学習障害だったり、障がいという不自由を強いられた人たちです。

突然ですが、あなたはメガネ(あるいはコンタクト)を使っていますか?
『メガネ』こそ、健常者と(視覚)障がい者の垣根を越えることができる"発明品"だと私は思っています。
私は幸運にも五体満足で生まれましたが、幼少期から徐々に視力が悪くなり現在では裸眼の視力検査で0.1が見えません。裸眼だと10〜15cmの範囲しか見えないので、世の中にメガネが存在していなければ私自身が視覚障がい者なのです。
でも私を視覚障がい者と呼ぶ人はおらず、メガネが存在する世界だったからこそ、たまたま健常者として視覚を含む五感全ての情報を基に様々考え、現在まで成長できました。
もし私が視覚を奪われた状態であれば、残念ながら今の私が形成されることはありません。

情報は日々多くなるもので、健常者にとって多過ぎる情報はフィルターをかけて取捨選択できますが、障がい者にとって情報という刺激は、欲しくても知りたくても触れたくても得られない状況なのかもしれないと思った時、私は『第2のメガネ』が必要であることに気づきました。
必要な時に、誰にでも、簡単に情報を得ることができる日々…。多様性を尊重する社会で、誰でも堂々と個人の考えを語って欲しいし、自由に思うがまま生きて欲しい。
この想いをベースにして賛同者を募り、そして2012年に山形県内の複数企業でチームを結成しました。そのチーム名がやまがたNEXTプロジェクトです。
我々のアウトプットする商品が、あなたにとって少しでも前に踏み出すきっかけとなるよう祈ると共に、我々は『第2のメガネ』を生み出すまで前進し続けます。

出展情報

【共同開発者:東條正典先生(山形県立山形盲学校,当時)からのコメント】

超高齢社会となった現在、訪問による様々なサービスが普及してきています。視覚に障がいをもつ人たちにも参入が期待される職業領域ですが、各種訪問サービスを提供するためには、正確な測定が必要不可欠です。

そのため、動きを見る、測定値を読むなど、目を使っての測定に難しさを感じる視覚障がい者にとって、正確な測定は、訪問サービス参入のハードルとなっていました。

先人達は、これまで様々な工夫を行って対処してきましたが、精度や作業効率などの点で課題がありました。

このような背景を踏まえ、視覚障がい者がスムーズに角度を測定できるようにとの思いで開発したのが「ボイスゴニオ」です。

音声読上げ機能や5°毎にソフトロックのかかる機能に加え、操作性や携帯性などを追求したユニバーサルデザインの角度測定用サポートツールとなっています。

このボイスゴニオが、皆様の力となって、活躍の場をさらに広げるツールになることを願っております。

【共同開発者:石澤洋喜先生(山形県立山形盲学校,当時)からのコメント】

『理科実験は、自分の手で、納得するまで何度でも』それが、理科実験の本質です。
これまで、目の見えない子どもたちは、針が示す値や表示される数値が読み取れず、測定器は「読んでもらう」ことが多いのが実情でした。
それは、自分のペースで実験ができないなど、目の見えない子どもたちから理科実験の醍醐味を奪う一因でした。

どうしても見える人の「目を借りなければならない」場面が増えてしまうことは、自分でできることが少ないという視覚障がい者像をつくり出してしまっていたようにも感じます。

目が見えない子どもたちも、「あすめる」が読み上げる数値を聞き、自分の手で、納得するまで何度でも実験をしてほしいと願っています。

「自分でもできる」という体験は、理科実験にとどまらず、誰しも生きていく上で自信となり、将来自分の背中を押してくれるものとなります。
その自信をつくる一端を、「あすめる」が担ってくれると信じています。